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あらすじ
都内にある名門私立『秀央高校』
4年ぶりの全教科満点入学を果たした高遠遙一は『自分』というものに疑問を抱きながら日々を過ごしていた
音楽室のピアノを思うままに演奏することだけが安らぎだった高遠だが、強引に入部させられた「マジック部」にて『居場所』というものを感じるようになってきた
そう、自身の”宿命”を知る、あの日までは…
登場人物
高遠遙一
ご存知『地獄の傀儡師』
イギリスからの帰国子女であり、ピアノの腕も一流、公園では子供たち相手にマジックを魅せるなど非常に多芸で多才
クラスメイト・霧島に誘われたマジック部に徐々に馴染みつつあったが…
姫野 優未
秀央高校の音楽教師かつマジック部顧問
とても美しい女性で朗らかな笑顔で生徒と接する
周囲から孤立する高遠のことを気にかけ、何かと手を差し伸べる
4年前の満点入学生である明智とも親交があり、事件を依頼することも…
※本作の最後が『学生明智健吾の事件簿』に繋がっている
霧島 純平
秀央高校1年、高遠のクラスメイト
社交的で孤立していた高遠に興味を持ち、マジック部に誘う
片倉 猟介
不動高校3年、マジック部部長
専門はサイキック・マジック
作中で非常に影が薄い
藤枝 つばき
秀央高校2年
去年の全日本学生マジックコンクール優勝者で、部員から『女王様』と呼ばれることも※本人は嫌がっている様子
高遠を憧れの近宮玲子に似ていると称し、彼女を目標としていると語る
専門はクローズアップ・マジックで、その腕前は高遠も認めるほど
黒江 真砂也
秀央高校2年、前年のトップ入学者(しかし満点ではない)
常に笑顔を浮かべているが陰湿な性格をしており、自身より学力・マジックの腕前が優れている高遠や藤枝の事を嫌っている模様
専門はカード・マジック
荒木田 陸
秀央高校3年、マジック部副部長
専門はコミカル・マジック
照れ笑いする時に「タッハ」というのが特徴※通称「タッハ節」
吉田先生
秀央高校の英語教師
授業中によそ見をしていた高遠を注意するも、完璧なクイーンズイングリッシュで授業内容を復唱され、やりこめられてしまった
高遠の父(養父)
魔術列車事件と同様、相変わらず目元の描写がなく、素顔が不明
高遠に彼の実父の面影を見ているらしく「日増しにそっくりになりやがって… あの悪魔にな!!」と語り怯えるような描写も
高遠の実父、近宮玲子、そして養父
彼らの親交や関係は未だに明かされてはいない
ナターシャ
高遠の家の家政婦さんらしき人物
詳細が一切出ていないが、意味ありげな視線を送る描写があったりと少々不気味
権藤 徹男
警視庁捜査一課刑事
明智警視が主役の「明智少年 最初の事件」にも登場している
その時と同様、『刑事の勘』で高遠に疑いの目を向けている
本作においては見当違いもいいところだが、高遠の後の人生を見るに彼の思案は当たっていた
とはいえ、証拠も何もない人物を印象だけで重要参考人扱いするのは問題ありとしか言えない
近宮玲子
高遠の実の母親であり、天才的な腕前を持つ奇術師
高遠が7歳でイギリスに居た時、養父に連れられ彼女の公演を見てマジックの虜となった
彼女の才能を妬んだ弟子たちによって殺害されてしまい、その事が『地獄の傀儡師』を生み出すキッカケとなってしまった
善良な人柄であったと証言されているが、マジックを盗まれた時用に「そのまま実行すると焼死する罠マジック」を仕込むのは苛烈すぎやしないか←
※リハーサル(スポットライトを使わないで行った場合)では成功するという点も恐ろしさを加速させている
今回は藤枝や高遠父の会話で名前のみ登場
明智 健吾
ご存知エリート警視
4年前の満点入学生であり、歩く自己主張←
本作のラストに登場、姫野先生から相談を受けていた様子
ホームレスのおじさん
自作のハウスに住むホームレスのおじさん
夜中余りにも風が強いため、家を畳んで遊具へと避難した
その行動を見た高遠は…
死神マジシャン
本作の犯人が名乗った名称
高遠に「生まれながらのモンスター」と評価される
事件概要
第1の事件
被害者:藤枝つばき
死因:絞殺
藤枝から奇妙なメールを受け取った高遠は夜の学校へ向かう
彼女を除くマジック部の面々と合流した時に新しいメールが届き、その指示通りにカギ穴から部屋を覗くと… そこにはまるで花を生ける器の如く、藤枝の切断された生首がテーブルに鎮座されていた
生物室のカギを開けて中に突入するとそこには血の付いた紙しか残されておらず、ショーの終わりを告げるメールが藤枝から届いたことから「悪質なイタズラ」と判断し、明日ことの真相を尋ねることで一行は解散した
しかし翌日、登校した高遠が見たのは昨夜と寸分違わぬ位置に添えられた藤枝の生首であった…
第2の事件
被害者:霧島純平
死因:他の事件と違い、呼び出されるシーンはあるものの殺害シーンは無し
霧島からのメールに呼び出された高遠は同様に呼び出されたマジック部の面々と出会う
そこでまたも死神マジシャンからメールが届き、その指示通り廃屋のアパートの一室を郵便受けから覗くと…
部屋の窓と壁は黒い布で覆われ、床は赤と黒の格子模様のカーペット、そして段ボールで作られたテーブルに鎮座する霧島の生首があった
しかし、一行がその惨状を見届けた直後、廃屋は爆破され全て焼き払われてしまった
第3の事件
被害者:黒江真砂也
死因:刺殺
第2の事件発生後、事件の状況を権藤刑事に話している最中、唯一現場に来ていなかった黒江からメールが入る
しかし、その送り主は死神マジシャン
指示通りマジック部の部室へ向かうとそこには黒江の生首が…
真相
犯人:霧島純平
動機:生まれながらの犯罪者であり、その「同類の天才」である高遠に近付く薄汚いメスどもを断罪するため
数多の犯罪者を生んだ金田一シリーズであるが、犯罪の背景が全くないのは唯一と言っていい
高遠ですら、全ての発端は母を屠った者への復讐だと言う背景があるのに…
トリックと誤算
第1の事件
カギ穴から部屋を覗くには片目で見るしかない、片目で見るということは立体感が無くなるということを利用したトリック
また、最初にカギ穴を覗き、その場にへたり込むことで写真回収のテグスをこっそりと手繰り寄せ、タイミングを見計らってトリックを回収した
絞殺する際、藤枝の抵抗に遭い腕を引っ掛かれてしまう
事件当夜、袖で多少隠しているがしっかりと傷跡は描写されている
登場人物の大半が半袖のシーン(急激な気温上昇のせい)で唯一長袖で過ごしているのもこのため
藤枝の爪の中に霧島の皮膚などが残ってしまっているため、櫓の中に隠し、最終的にキャンプファイヤーとして焼却する予定だった
高遠がトリックに気付いたのは上での傷とホームレスの段ボールハウス
風が強いのでハウスを折りたたみ、石を乗せて避難したことで「最初に見たトリックの回収法」に気付いた
第2の事件
古典マジック「スフィンクス」を用いたトリック
しかし、第1の事件が色濃く記憶に残っている中ではそのことに気付きにくくなっていた
高遠がトリックに気付いたのは、またしてもホームレスの段ボールハウス
しっかり作られたハウスであったが、石を乗せている以上、段ボールには歪が出来ていた
しかし霧島の首(成人の頭部の重さは約6kgと言われている)を乗せているにもかかわらず、段ボールのテーブルは一切歪がなかったことから「スフィンクス」の利用に気付いた
第3の事件
本来は姫野先生を殺す予定だったが、黒江が部室のPCに仕込んだキーロガーから霧島の不審な動きを感知
コッソリ問い質そうとしたところを逆に襲われた
またこれら3つの事件を合わせることで「第1の事件だけ片目で首を目撃した」という点を思考の外に追いやっている
関連グッズなど
アニメbox | 原作セット |
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